行きたい方向に、まっすぐ進めない日もある

昨日、いつものようにウィンドサーフィンに出かけた。

材木座海岸は、夏になると海から岸に向かって風が吹くことが多い。

もちろん、自然のことだから、その日、その時間によって風向きは変わる。

昨日は、岸から海に向かって風が吹いていた。

いわゆるオフショアだった。

最初はスクールの他の生徒と同じルートで出たのだけれど、私はマイペースなので、途中で少しコースを外れた。

すると、なかなか岸へ戻れなくなった。

風が強ければ、多少風向きが悪くても、なんとか戻れる。

でも、風向きが違って、しかも風が弱いと、思うように進めない。

風を待って止まる時間が増える。

昼休みの時間が近づいてくると、少し焦ってくる。

そのうち、コーチがエンジン付きのゴムボートで近づいてきて、

「大丈夫ですか? 一人で戻れますか?」

と声をかけてくれた。

正直、最近はここまで状況がコントロールできなくなることはなかった。

「自分も結構うまくなったものだ」

などと思っていたのだけれど、やはり物事は奥が深い。

そんなことを考えながら海の上にいると、ふと、普段の生活のことを思った。

平日は、ほぼ一日中PCに向かっている。

仕事をして、AIと会話しながら何かを作り、勉強をし、次にやることを考える。

そうしていると、だんだん、

自分は、自分の周囲の環境や状況を、かなりコントロールできる

ような気になってくる。

でも、もちろんそんなわけはない。

自分が行きたいと思っている場所へ出張したくても、会社の承認が下りないこともある。

何かをやりたいと思っても、予算がないこともある。

上司や周囲が賛成してくれないこともある。

家の中だってそうだ。

家族は、自分の思い通りにはならない。

そもそも自分自身ですら、完全にはコントロールできない。

夜になって自制心が弱くなると、つい動画を見続けてしまって、

「ああ、今日も夜更かしした」

と翌朝後悔したりする。

考えてみれば、私が本当にコントロールできることは、それほど多くない。

せいぜい、

今の自分が、次に何をするか。

そのくらいなのかもしれない。

ウィンドサーフィンでも、行きたい場所があるからといって、必ずそこへ一直線に進めるわけではない。

風向きによっては、そもそも直接そこへ向かえない。

そんなときは、何度か方向を変える。

一度、行きたい場所とは少し違う方向へ進む。

また向きを変える。

ジグザグに進む。

そして結果として、目的地へ近づいていく。

人生も、これに少し似ているのかもしれない。

ゴールを決めることは大事だ。

たとえば、

「1億円の資産を作る」

という目標を立てる。

でも、目標を決めたからといって、現実がこちらの都合に合わせて動いてくれるわけではない。

収入が思うように増えないかもしれない。

投資環境が変わるかもしれない。

仕事の状況が変わるかもしれない。

家族の事情が変わることもある。

そんなとき、

「予定どおりに進まないから、この目標は無理だ」

と諦めることもできる。

でも、もう一つのやり方がある。

今吹いている風を使うこと。

たとえ目的地とは少し違う方向でも、まず進める方向へ進む。

そこで状況を見る。

風向きが変わったら、また進路を変える。

軌道修正を繰り返す。

そして、少しずつ目的地へ近づいていく。

大切なのは、

「自分の計画どおりに世界を動かすこと」

ではなく、

世界が思い通りに動かないときに、自分の進み方を変えられること

なのかもしれない。

ゴールは持つ。

でも、ルートには執着しない。

風が変わったら、帆の向きを変える。

風が弱ければ、少し待つ。

必要なら、別の方向へ進む。

そしてまた、目的地を見る。

昨日の海では、そんな当たり前のことを、あらためて教えられた気がした。

PCの前に座っていると、つい忘れてしまう。

世界は、自分の計画表どおりには動かない。

だからこそ、

どこへ行きたいかを決めることと、今どんな風が吹いているかを見ること。

その両方が必要なのだと思う。

そしてたぶん、人生で身につけたいのは、

風を止める力ではなく、

風を読みながら、それでも進み続ける力

なのだろう。

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