AIに仕事を任せたいのではない

生成AIについて語るとき、よく「どれだけ仕事を効率化できるか」という話になる。

資料作成が速くなる。

調査が速くなる。

コードが速く書ける。

確かに、それだけでも大きな変化だ。

私自身、AIを使うようになってから、以前なら複数人で進めていたような仕事を、一人で進められる場面が急速に増えた。

でも最近、それだけではないような気がしている。

私が本当に期待しているのは、AIに自分の仕事を代わりにやってもらうことではない。

「自分一人では思いつかなかった場所まで、一緒に行けることだ。」

人間は、どうしても自分の経験から考える。

どんなに自由に考えているつもりでも、過去に見たもの、所属してきた組織、習ってきた方法、自分の成功体験や失敗体験の影響を受けている。

それ自体は悪いことではない。

経験があるから判断できる。

ただ、その経験が同時に、自分の想像力の境界にもなる。

AIと長く対話していると、ときどき、自分がまったく考えていなかった方向から答えが返ってくる。

もちろん、AIがいつも正しいわけではない。

むしろ、こちらが「それは違う」と修正することも多い。

でも面白いのは、その往復だ。

AIがこちらの想定を超えて案を広げる。

人間が経験から意味や境界を与える。

するとAIがそれをもう一度組み直す。

その過程で、最初はどちらも持っていなかった考えが生まれることがある。

これは「AIを使う」という感覚とは少し違う。

一緒に考えている。

最近、私はこれを「協働」と呼びたくなってきた。

AIは、人間を代替するための技術なのだろうか。

それとも、

「人間が一人では到達できなかった可能性へ到達するためのパートナーになれるのだろうか。」

今のところ、私は後者に賭けてみたいと思っている。

答えはまだわからない。

だから、自分自身の仕事や生活を使って、しばらく試してみるつもりだ。

この場所には、その途中で考えたことを残していこうと思う。

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